ストックビジネスとは?フロービジネスとの違いやメリット・デメリットを解説

2024年10月24日

ストックビジネスとは?フロービジネスとの違いやメリット・デメリットを解説

近年は既存顧客から安定した利益を確保できるサブスクリプションなどのストックビジネスが注目されていますが、どういったメリットがあるのか分からない方もいるのではないでしょうか。

今回はストックビジネスの基礎知識やメリット・デメリット、フロービジネスとの違い、主な種類などを解説していきます。

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ストックビジネスとはなにか?

ストックビジネスとは、顧客から継続的に利益を得るビジネスモデルのことであり、サブスクリプションや会員制サービス、フランチャイズなどによって継続的な利益を得るサービスです。

ストックビジネスを続けていくことで利益が積み上がっていくため、安定した経営がおこないやすいという大きな特徴があります。

ストックビジネスの種類は幅広く、不動産賃貸業やスポーツジムなどの会員制サービス、電気・水道・ガスのインフラ事業、ソフトウェア等を定額で提供するサブスクリプションなどがあります。

フロービジネスとの違いとは?

フロービジネスとは顧客との取引が1回で完了するビジネスのことであり、前述したストックビジネスとは対照的なビジネスです。

フロービジネスの主な例は飲食店やコンビニエンスストア、家電量販店などの小売業があげられます。

その都度、顧客に商品・サービスを提供することが求められているものの、比較的すぐに利益を得やすい傾向にあります。

フロービジネスの場合もある程度の利益を予測することができますが、新たな顧客を獲得し続けなければならないほか、雨や工事など外的要因にも売上が左右されるため、ストックビジネスと比較すると利益が安定しづらくなります。

その一方で顧客に継続して商品・サービスを提供するストックビジネスの場合、外的要因に売上が大きく左右されないという特徴があり、顧客を獲得することで右肩上がりで売上を伸ばしていくことができます。

ストックビジネスとフロービジネスのどちらにもメリット・デメリットがあるため、両方のビジネスを組み合わせたハイブリッド型の企業も増えてきています。

ストックビジネスにおけるメリットとは?

多くの企業でおこなわれているストックビジネスですが、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。

ここではストックビジネスの主なメリットを紹介していきます。

安定した利益を得やすい

ストックビジネスの最大のメリットは、顧客と契約・サービスを提供できれば継続的に安定した利益を得られることであり、十分なサポート体制を構築できていれば経営しやすい傾向にあります。

急激な顧客離れが進まない限りは右肩上がりで売上も増えていくという特徴があり、事業拡大のための計画も練りやすくなります。

外的要因に売上が左右されづらい

ストックビジネスは解約されない限りは顧客から継続的に利益を得られるビジネスモデルであり、天候や季節、景気などの外的要因に売上が左右されづらいというメリットがあります。

前述したフロービジネスの場合は天候などの外的要因によって売上が大きく変動し、正確な利益の予測も難しくなりますが、フロービジネスは外的要因に左右されないため、毎月の利益も格段に予測しやすい傾向にあります。

効率的な営業活動ができる

ストックビジネスは継続的な契約やサービスの提供によって既存顧客との信頼関係を築きやすく、ニーズに沿った営業活動をしやすくなります。

またマーケティング用語では、新規顧客の獲得・販売するためのコストは既存顧客の5倍かかるとされる「1:5の法則」という言葉がありますが、既存顧客に重点を置くストックビジネスは営業活動のコストをおのずと下げやすい傾向にあります。

ストックビジネスにおけるデメリットとは?

安定した利益を右肩上がりで得られやすいという大きなメリットがあるストックビジネスですが、いくつかの注意点も存在します。

ここではストックビジネスの主なデメリットを紹介していきます。

安定した利益を得るまでに時間がかかる

ストックビジネスは顧客との契約や継続的なサービスの提供をおこなうという仕組み上、ある程度の初期投資が必要になり、安定した利益を得るまでには一定以上の期間が必要です。

またストックビジネスで展開する商品・サービスにもよりますが、顧客1人当たりから得られる利益は全体的に少ない傾向にあるため、多くの顧客を獲得できなければ安定した経営ができないおそれがあります。

顧客満足度を高め続ける必要がある

ストックビジネスは中長期的に利益を得ていく戦略ですが、同一商品・同一サービスを提供しているだけでは競合他社が現れた場合にシェアを奪われてしまうおそれがあるため、常に顧客満足度を高め続けなければなりません。

また顧客の増加に比例して顧客管理も複雑になっていきますが、ヒューマンエラーによって信頼を失うと解約されてしまうおそれがあるため、顧客管理システムの導入などで対策することが望ましいです。

ストックビジネスの一例をご紹介

ここまでストックビジネスの基礎知識やメリット・デメリットなどを紹介しましたが、どのようなストックビジネスがあるのでしょうか。

ここではストックビジネスの種類を紹介していきます。

定期購入

定期購入は初回手続きを済ませた顧客に定期的に商品・サービスを提供していくタイプで、買うものが決まっている顧客の場合、わざわざ買いに行かなくていいというメリットがあります。

食料品や日用品を届けるコンビニエンスストアやスーパーマーケットの定期宅配サービス、新聞や雑誌の定期購読などが定期購入に分類されます。
GLUGのストックビジネスを詳しく知りたい方はこちらのページもご確認ください。

会員制ビジネス

会員制ビジネスは、定額の会員料・利用料を受け取る対価としてサービスを提供するビジネスであり、顧客の需要に応えて導入した設備は長く使えるため、粗利益は高くなる傾向にあります。

スポーツジムや教室、ウォーターサーバーのレンタルなどが会員制ビジネスに分類されます。

サブスクリプション

サブスクリプションは、定額の料金を得る代わりに商品・サービスを一定期間提供するビジネスです。

もともとの英語圏での意味は「定期購読・定期購入」ですが、日本においては前述した定期購入と意味が異なります。

顧客が希望する商品・サービスを提供する定期購読・定期購入と異なり、サブスクリプションは企業が提供する幅広い商品・サービスの中から好みのものを選べる仕組みであり、新しいジャンルも体験することができます。

音楽・動画・漫画配信サービスが代表的なサブスクリプションですが、近年はカーシェア、ファッションや家電・家具のレンタルなど幅広いビジネスが登場しています。

定期メンテナンス

定期メンテナンスは顧客に提供した経年劣化する設備の保守点検をおこなうサービスであり、設備導入時に契約に含まれている傾向にあります。

主な定期メンテナンスには、注文住宅のメンテナンスやオフィス・商業設備のエスカレーター・エレベーターや医療機器などの保守点検があります。

不動産賃貸経営

不動産賃貸経営は、所有するマンションやアパート、ビルなどの不動産を貸し出すことで賃料収入を得るビジネスモデルです。

貸し出すことができれば中長期的に安定した収入を得られますが、選ばれるためには立地や条件が大切になるほか、老朽化対策として定期的にメンテナンスをおこなう必要があります。

インフラ型

インフラ型は、日常生活や社会を成り立たせるためのサービスを提供するビジネスであり、電気・水道・ガスのほか、インターネットやスマートフォンの契約もインフラ型に分類されます。

2016年の電力自由化や2017年のガス自由化に伴って、インフラ型に参入する企業も増えています。

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まとめ

ストックビジネスは既存顧客から中長期的に安定した利益を得られるビジネスモデルであり、得られる利益の予測もしやすいため、近年は多くの企業がストックビジネスを展開しています。

ストックビジネスの対極ともいえるビジネスモデルに短期的な利益を得られるフロービジネスが存在しますが、どちらにもデメリットがあるため、より安定した経営を目指す上では双方の短所を補えるハイブリッド型のビジネスモデルを構築することが大切です。

これからストックビジネスにも参入したいと考えている方は、フランチャイズに加盟することも検討しましょう。

フランチャイズであれば本部が経営ノウハウを共有しているほか、仕入れや集客サポートなどをおこなっているため、初期の段階から顧客を獲得しやすい傾向にあります。

既存顧客の満足度を向上させるためにストックビジネス、新規顧客を獲得するためにフロービジネスというようにビジネスモデルを使い分けて、安定した経営を目指しましょう。
GLUGのストックビジネスを詳しく知りたい方はこちらのページもご確認ください。

担当者T.Aのイラスト

記事の監修者

平林 英雄

行政書士・保育士・AFP

新卒でコンサルティング会社に入社し、10年間にわたり中小企業の経営計画策定や新規事業の立ち上げ支援に従事。飲食、介護、福祉分野のチェーン本部を経験した後、独立し行政書士としての活動を開始。
現在は法人設立や資金調達などの創業支援、許認可取得や補助金申請などの中小企業支援をおこなっている。2021年より中小企業庁の認定経営革新等支援機関。