起業する際の相談はどこにするのがいい?機関・専門家ごとに相談できる内容が違う?目的に合わせた選び方を解説!

2024年10月1日

起業する際の相談はどこにするのがいい?機関・専門家ごとに相談できる内容が違う?目的に合わせた選び方を解説!

起業を進めていても一人ではどうしても解決できないような悩みに直面してしまう場合もありますが、そんな時に役立つのが起業に関する相談を受け付けている公的機関や各専門家たちです。

ここでは起業に関する相談を受け付ける主な公的機関や専門家、相談前におこなっておくべき対応、相談する際のよくある質問などを紹介していきます。

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起業の相談ができるところ

起業する際に生じた悩みをどこに相談すれば良いのか分からずに困っている方もいるかと思いますが、公的機関であれば具体的なアドバイスをもらえます。

ここでは起業相談を受け付けている主な公的機関を紹介していきます。

起業のアイデアを知りたい方は、以下の記事を併せてご覧ください。

独立・起業するには?しやすいアイデアやポイントを解説

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、財務省が所管する政策金融機関(政府系金融機関)であり、中小企業やこれから起業しようとする方などの支援をおこなうことで国内総生産(GDP)の向上を目指しています。

そうした目的から日本政策金融公庫では、民間の金融機関では融資が難しい場合や起業を目指す起業家たちの相談にも対応しているため、不安が大きい方は頼ると良いでしょう。

相談窓口は東京・大阪・愛知にあり、中小企業診断士などの専門家に対面もしくはオンラインで相談することができます。

相談は事前予約が必要なので、相談したい方は日本政策金融公庫の「創業前支援」で予約するようにしましょう。

商工会議所・商工会

商工会議所・商工会は、地域活性化や中小企業支援など目的に活動している非営利団体であり、創業したばかりの起業や起業家の支援・相談もおこなっています。

起業に関する相談窓口では税理士や社会保険労務士、ITコンサルタント、司法書士など各分野のスペシャリストに相談することが可能であり、起業に関する悩みも解消できる場合が多いでしょう。

また各商工会議所・商工会では、定期的に起業に関するセミナーも開催されており、起業に関するノウハウを学べたり、他の起業家と交流を図ったりできます。

独立行政法人 中小機構

独立行政法人中小機構(正式名称:独立行政法人中小企業基盤整備機構)は、国や自治体と連携しながら中小企業の支援をおこなっている組織であり、起業から経営課題まで幅広い相談に対応しています。

起業に関する相談の方法はオンライン・電話・対面・メールと充実しており、各分野の専門家が無料で相談にのっているほか、AIを活用した対話型自動応答サービスのチャットボットで24時間365日、相談することができます。

また相談だけでなく、定期的に起業に関するワークショップも開催されており、知識を学んでいくこともできます。

よろず支援拠点

よろず支援拠点は、国が全国に設置する経営相談所であり、前述した独立行政法人中小機構によって運営されています。

起業や売上向上、商品開発、経営改善などありとあらゆる経営に関する悩みの相談を何度でも無料で専門スタッフが応じており、解決策の提案だけでなく、解決を目指す相談者のフォローアップまでおこなっています。

よろず支援拠点の相談窓口は47都道府県に設置されていますが、相談するためには電話・メール・FAXなどで事前予約が必要となります。

ワンストップ相談窓口Plus One

ワンストップ相談窓口Plus Oneは、独立行政法人国際協力機構(JICA)などの政府系16機関が設置したスタートアップ支援をおこなう組織です。

中小企業や創業期のベンチャー企業、これから起業を目指す起業家を中心に支援しており、各専門分野の支援機関が連携を図ることでワンストップでの悩みの解消を目指しています。

新技術の開発や海外への事業展開などどこに相談すればいいのか分からない内容にも幅広く対応しており、最初からワンストップ相談窓口Plus Oneに相談するのもひとつの手です。

相談する場合、問い合わせフォームで相談内容や現在の事業内容などを入力したうえで問い合わせる必要があります。

税務署

税務署では、起業時に法人設立届出書や開業届などの申請が必要になりますが、起業の手続きの対応などの相談にも応じています。

また起業後は確定申告や納める税金の対応も対応しており、確定申告の流れや納める税金の種類などを詳しく説明してくれます。

税務署への相談は事前相談が必須となりますが、特に確定申告の時期は混雑によって予約しづらくなってしまうため、計画的な対応が必要です。

起業の相談は専門家に聞くのが良い

起業の手続きや流れなどは、各分野の専門家に相談することで確実に漏れなく対応できるようになります。

起業に関する相談をした方が良い専門家は、主に以下の通りです。

  • 税理士
  • 弁護士
  • 行政書士・司法書士
  • 社会保険社労士

それぞれ詳しく解説していきます。

起業の流れを知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

起業するには?成功のための5ステップ、必要な手続きをわかりやすく解説

税務や会計のことなら税理士

税理士は税金を専門とする国家資格であり、税務代行や会計業務などをおこなっており、顧問契約を結んで税務処理の代行を依頼している企業も珍しくありません。

税務処理に対応するためには税務処理の専門知識が必須であり、手続きも複雑であるため、事業に専念したい方は起業前から顧問契約を結ぶことが望ましいです。

顧問契約の月額の相場は3万円前後ですが、初回相談は無料にしている税理士が多いため、自社と相性の良い税理士を探すと良いでしょう。

法律のことなら弁護士

弁護士は法律事務を専門とする国家資格であり、民間企業では契約書の作成や著作権の対応、リーガルチェックなどを担当しています。

起業後に法律知識が必須になるほか、万が一コンプライアンス違反やトラブルなどが発生した場合に頼りになる専門家であり、経営のリスクを最小限におさえるためには起業準備と同時並行で顧問弁護士を探しておくことが望ましいです。

中小企業向けの顧問弁護士の場合、月額相場は5万円から10万円ですが、弁護士によって得意とする分野は異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

会社設立の手続のことなら行政書士・司法書士

行政書士は行政に提出する書類作成・提出代行などをおこなう専門家で、司法書士は登記を主におこなう法律の専門家です。

また司法書士の場合、法務局での会社設立の申請代行を依頼することができるため、起業時の手間を大幅に削減することができます。

行政との連携が必要など業種によっては起業後も行政書士・司法書士への依頼が必須になる場合もあり、起業準備の段階で相性の良い行政書士・司法書士を探しておくと効率的に起業を進められます。

雇用のことなら社会保険労務士

社会保険労務士は、社会保険・労務管理を専門とする国家資格であり、書類の作成・提出代行や労務問題の解決などをおこないます。

起業後、従業員数が少ないうちは自分たちでも社会保険や雇用の手続きをおこなうことができるかもしれませんが、従業員が多ければ手続きの負担も大きくなってしまうため、社会保険労務士に依頼することが望ましいです。

助成金・補助金に詳しい社会保険労務士もいるため、起業前から相談しておくと毎月のランニングコストを減らすことにも繋がります。

企業の相談は起業家にするのもオススメ

公的な専門家という訳ではありませんが、すでに同じ業種で成功している起業家の知人がいる場合は前述した各分野の専門家と併せて相談してみると良いでしょう。

その業界での経験に基づく現場目線でのリアルなアドバイスをもらえるため、成功する確立をあげられます。

もし周辺に同じ業種での起業家の知人がいない場合は、起業に関するセミナーや交流会に参加し、交友関係を広げていくのも一つの手です。

相談前にやっておくべきこと

起業に関する漠然とした不安があるからといって何も分かっていない状態で専門家や相談窓口を頼っても、残念ながら有意義な時間を過ごすことはできません。

悩みを解消するためには相談前からある程度は起業準備をしつつ、起業の知識を深めておくことが大切です。

ここでは相談前に進めておくべき主な起業準備を紹介していきます。

事業計画を立てておく

専門家や相談窓口で明確に自身の悩みを説明できるように、まずは事業内容や方向性、戦略などをまとめた事業計画を策定しておきましょう。

事業計画が綿密であれば綿密であるほど、金融機関などから資金調達をおこなう際に「再現性が高い」と判断され、資金調達しやすくなるほか、起業家としての信頼性も高くなります。

一人ひとりビジネスの内容は異なるため、他の起業家が作成した事業計画書をそのまま使うことはできませんが、何を書けば良いのか分からないという方は、日本政策金融公庫の「各種書式ダウンロード」の雛形を使うと良いでしょう。

起業の流れを説明できるようにしておく

起業するといっても、株式会社や合同会社、個人事業主など起業形態によって手続きなどは大きく異なるため、事前に把握しておくことが望ましいです。

自分に合う起業形態を決めた上で必要になる起業手続きや発生する費用などをおおまかにでも把握・不明点を箇条書きでまとめておけば、専門家や相談窓口により具体的な相談をできるようになります。

起業形態を知りたい方は、以下の記事を併せてご覧ください。

【事業の始め方】失敗しない起業の5ステップとおすすめ業種を解説!

起業の相談についてよくある質問

起業するときは誰に相談すればいいの?

日本政策金融公庫や独立行政法人中小機構、商工会議所・商工会、よろず支援拠点、ワンストップ相談窓口Plus One、税務署などに相談するようにしましょう。

また税理士や社会保険労務士などの各専門家に相談することもできます。

個人事業主になるためには誰に相談すべき?

個人事業主の場合は、商工会議所・商工会に相談するようにしましょう。

商工会議所・商工会では地域活性化や起業家への支援をおこなっており、そうした経緯から個人事業主の相談も受けています。

ビジネスについての相談は誰にすればいい?

ビジネスの場合は、前述したよろず支援拠点やワンストップ相談窓口Plus Oneのほか、知人の経営者やコンサルタントに相談することができます。

周囲に知人の経営者がいない場合は、起業家が集まるセミナーや交流会に参加し、交友関係を広げていくと良いでしょう。

起業を検討中ならぜひご相談ください

GLUGでは障害福祉・飲食の領域において開業から経営改善までトータルで支援しており、1,000社以上のご相談に対応しています。
無料相談のほか、支援実績や収支シミュレーションもおこなっておりますので、少しでもご興味をお持ちの方は弊社までお問い合わせください。

まとめ

特に初めて起業する場合は分からないことだらけで準備に支障が出てしまうケースもありますが、公的機関や専門家たちが起業に関する悩みを解消に導くアドバイスをしています。

ただし何も起業に関する知識がない状態で相談しても、公的機関や専門家たちも適切なアドバイスをしきれないおそれがあるため、ある程度は起業の知識を身に付けておくことが望ましいです。

起業だけでなく、経営にも不安がある方は、最初からコンサルタントに依頼するのも一つの手だといえます。

コンサルタントは成功事例などのデータに基づく提案をしており、初めて起業する場合でも成功する確立をあげられるため、先々まで安心したい方は自身と相性が良いコンサルタントを探すと良いでしょう。

なお、GLUGでは福祉・飲食の領域に特化して開業から運営までトータルでサポートしています。

福祉事業について詳しく知りたい方はこちらのページもご確認ください。

担当者T.Aのイラスト

記事の監修者

平林 英雄

行政書士・保育士・AFP

新卒でコンサルティング会社に入社し、10年間にわたり中小企業の経営計画策定や新規事業の立ち上げ支援に従事。飲食、介護、福祉分野のチェーン本部を経験した後、独立し行政書士としての活動を開始。
現在は法人設立や資金調達などの創業支援、許認可取得や補助金申請などの中小企業支援をおこなっている。2021年より中小企業庁の認定経営革新等支援機関。