有限会社は、2006年に会社法が改正されるまで設立が認められていた法人形態であり、現在も有限会社として経営している企業も多数あります。
有限会社には多岐にわたるメリットがある一方でデメリットも存在するため、株式会社など別の法人形態への移行を考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は有限会社の基礎知識と株式会社との違い、メリット・デメリットなどを紹介していきます。
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有限会社とは?基本的な特徴と仕組み

有限会社は、かつて中小企業向けに設立が認められていた法人形態で、現在は新設できませんが、既存の有限会社は特例有限会社として存続できます。
廃止される前の法的根拠と設立要件は、以下の通りです。
- 法的根拠:旧商法(2006年施行の会社法で廃止)
- 資本金:300万円以上
- 出資者(社員):50人以下
- 取締役:1人以上(取締役会なし)
現在、有限会社は法的に「株式会社」と同じ扱いですが、株式の発行ができず資金調達の手段が限られているため、株式会社へ移行する企業も増えています。
小規模企業に最適な組織形態の理由
有限会社は、小規模な企業に適した法人形態で、主に以下3つの特徴があります。
【①少人数での経営が可能】
代表取締役1人で経営でき、意思決定が迅速におこなえる
【②出資者が負うのは有限責任】
出資者は出資額を上限とする責任で済み、会社の負債を個人が返済する必要がない
【③運営コストが低い】
取締役会が不要のため、設立・運営コストが抑えられる
有限会社は以下のように代表取締役と従業員のみのシンプルな組織体制であり、株式会社や合同会社と比べて意思決定のスピードが早いという点が大きなメリットだといえます。
役割 | 対応業務 |
代表取締役 | 経営方針の決定、契約締結 |
従業員 | 製造・営業など日常業務の担当 |
地元産の食材を活かした無添加食品の製造・販売を手がけている某有限会社では、創業当初は個人事業でしたが、取引先の信用を高めるために有限会社へ移行しました。
有限会社ならではの意思決定の速さと低コストな運営を活かし、大手スーパーとの取引に成功させ、5年で売上を2倍に増加させることができました。

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経営者の権限と責任範囲
有限会社の経営者(代表取締役)は、事業運営の決定権を持つと同時に法的責任を負います。役割は、主に以下の通りです。
▼経営者の権限
- 事業戦略の策定:会社の方向性や目標を決定
- 財務管理:資金調達・投資判断・経費管理
- 人事権:従業員の採用・解雇・評価
▼経営者の責任
- 法令遵守:労働法や税法などの規制を守る義務
- 債務管理:会社の負債に対する適切な対応
- 取引先・社員への説明責任:経営状況の透明性確保
有限会社と株式会社の違いを徹底解説

有限会社と株式会社はどちらも法人格を持つ企業形態ですが、経営の自由度や資本金などに違いがあります。
主な違いは、以下の通りです。
項目 | 有限会社 | 株式会社 |
設立の可否 | 新設不可(2006年以降) | 可能 |
必要な資本金 | 300万円以上 | 1円以上 |
経営者の選任 | 取締役1名 | 取締役会の設置が必要 |
意思決定の速さ | 迅速 | 株主総会の承認が必要な場合があり、やや遅い |
社会的な信頼度 | やや低い | 法人形態で最も高い |
小規模事業を家族経営で運営する場合は有限会社が適していましたが、現在は株式会社への移行が主流となっています。
必要な資本金と経営の自由度
有限会社と株式会社では、以下のように設立に必要な資本金や経営の自由度に違いがあります。
【資本金の違い】
- 有限会社:最低300万円の資本金が必要(現在は新設不可)
- 株式会社:1円から設立可能(資本金の制限なし)
【経営の自由度の違い】
- 有限会社:取締役1人で運営可能で、迅速な意思決定ができる
- 株式会社:取締役会や株主総会で承認が必要で、意思決定に時間がかかる
有限会社は取締役会・株主総会の義務がなく、代表取締役が単独で意思決定できるため、小規模な事業に向いています。
有限会社の資本金は300万円以上が求められている一方で、株式会社は資本金1円でも設立可能で成長に応じて柔軟に経営体制を整えられます。
ただし、株式会社を実際に資本金1円で設立する場合は主に以下のリスクを伴うため、事業規模に応じた資本金を用意することが望ましいです。
- 貸し倒れリスクが高いと判断され、融資が下りない
- 企業体力がないと警戒され、営業や取引に支障が出る
- 備品購入で即座に債務超過に陥るなど
会社法改正で何が変わった?有限会社の現状

2006年の会社法改正により、有限会社の新設が廃止され、既存の有限会社は「特例有限会社」として存続できるようになりました。
これに伴い、特例有限会社のまま経営を続けるか、株式会社や合同会社へ移行するかの選択を迫られる企業が増えています。
特例有限会社と株式会社には主に以下の違いがあります。
【特例有限会社として存続】
- 小規模経営で経営の自由度を重視する場合に適している
- 取締役会や株主総会が不要でコストを抑えられる
【株式会社に組織変更】
- 社会的な信用度が向上し、融資や資金調達がしやすくなる
- 株式発行によって事業拡大がしやすくなる
事業規模拡大や資金調達が必要な場合は、株式会社への移行が有力な選択肢となります。

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特例有限会社の仕組みと特徴
特例有限会社は2006年の会社法改正により、新規設立が廃止された有限会社が「株式会社」として存続する特例を受けた法人形態です。
シンプルな会社制度を構築するための施策として、特例有限会社は有限会社の組織構造を維持したまま、株式会社と同等の扱いを受けています。
特例有限会社と株式会社の違いは、以下の通りです。
項目 | 特例有限会社 | 株式会社 |
新設可否 | 2006年以前に設立された有限会社のみ存続 | 誰でも設立可能 |
社名の表記 | 「有限会社」のまま使用可 | 「株式会社」のみ可 |
取締役の人数 | 1名でも可 | 原則1名以上 |
取締役会の設置 | 不要 | 例外を除き、設置必須 |
株主総会の設置 | 不要(定款に定めれば可) | 必須 |
決算公告義務 | なし | あり |
社会的信用度 | 株式会社より低い場合あり | 法人形態で最も高い |
資金調達 | 株式発行不可 | 株式発行で調達可能 |
経営の自由度 | 高い | 株主の意向に沿う必要があり、低い |
特例有限会社の存在意義は、毎月のランニングコストを抑えつつ、意思決定の自由度を確保できる点にあります。
例えば、取締役が1名でも会社を運営できるため、小規模事業者やオーナー経営者にとっては、手続きの簡素化や経営の効率性が大きなメリットとなります。
また株主総会や取締役会の開催義務がないため、迅速な意思決定が可能です。
一方で、特例有限会社には制約もあります。株式を発行しての資金調達ができず、出資者の範囲が限定されるため、大規模な事業拡大には不向きな側面があります。
また社会的信用度の面では株式会社と比べて劣る場合があり、金融機関からの融資を受ける際に不利になるケースもあります。そのため、企業の成長フェーズに応じた適切な選択が求められます。
有限会社のメリット・デメリットとは?

有限会社にはメリット・デメリットがあるため、両社を理解した上で有限会社に留まるか、株式会社などの法人形態へ移行するかを十分に考えましょう。
ここでは有限会社のメリット・デメリットを解説していきます。
経営の自由度が高まる
有限会社は、株式会社と比べて経営の自由度が高く、取締役1名でも運営できる点が特徴です。株主総会の開催義務がないため、小規模な事業に適しています。
例えば家族経営の製造業では、取締役が即座に設備投資や新規取引を決定できるため、市場の変化に柔軟に対応可能です。また定款で自由にルールを設定できるため、会社の運営方針を柔軟に調整できます。
意思決定が迅速にできる
有限会社は、取締役会や株主総会の開催義務がなく、経営者が直接意思決定ができるため、迅速な対応が可能です。これにより、事業拡大や経営戦略の変更をスムーズに進められます。
例えば小売業の有限会社では、市場の変化に応じて新商品を導入したり、価格戦略を柔軟に変更したりできます。意思決定のスピードが競争力につながり、成長を加速させる要因となります。
資金調達の手段が限られる
有限会社は、資金調達の手段が限られる点がデメリットにあげられます。株式会社のように株式の発行などによって外部投資家からの出資を受けることが難しいため、主な調達手段は銀行融資や自己資金に依存します。
また社会的信用度が株式会社より低いため、金融機関からの融資審査が厳しくなるケースもあります。資金調達の選択肢を広げたい場合は、株式会社への移行を検討するのも1つの方法です。

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有限会社が選ばれる業種と事例

有限会社は、経営の自由度が高く、迅速な意思決定が可能な点が特徴です。特に家族経営の企業や小規模事業に適しており、現在も主に以下の業種で活用されています。
- 製造業:地域密着型の工場や職人技を活かした企業
- 小売業:地元で長年営業する老舗店舗や専門店
- サービス業:美容室、建築業、飲食店など
例えば1885年創業の群馬県前橋市の老舗和菓子店「新妻屋」では、有限会社として伝統を大切にした家族経営で柔軟な運営を続けています。
有限会社の将来性と注意点

有限会社は、少数の出資者による経営や迅速な意思決定が強みですが、主に以下のような制約があります。長期的な成長を目指す場合、株式会社化を検討する企業も増えています。
- 社会的信用度が低く、大口取引や融資で不利になる場合がある
- 組織拡大や資金調達が難しく、事業の発展に制限が生じる可能性がある
- 役員の変更や増員が柔軟にできない
また事業承継の際は、有限会社の持分は株式と異なるため、相続時の評価や譲渡手続きに注意が必要です。
後継者がいない場合、株式会社に移行して事業承継しやすい形にするのも選択肢の一つです。
その他の会社形態との比較

有限会社は、2006年の会社法改正により新設できなくなりましたが、既存の企業は特例有限会社として存続できます。その他の会社形態と比較すると、以下の特徴があります。
【有限会社と株式会社】
- 有限会社は、取締役会が不要で意思決定が迅速
- 株式会社は、社会的信用度が高く、資金調達がしやすい
【有限会社と合同会社】
- 有限会社は、出資者の変更が難しく、事業承継に注意が必要
- 合同会社は、経営の自由度が高く、利益配分を柔軟に決められる
【有限会社と個人事業主】
- 有限会社は、有限責任のため、個人の資産が守られる
- 個人事業主は、開業手続きが簡単で、税制上のメリットもある
有限会社は小規模経営に向いていますが、資金調達や事業承継を考えると、合同会社や株式会社への移行を検討するのも1つの選択肢です。
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まとめ
有限会社は2006年の会社法改正によって新設が廃止され、現存する有限会社は商業登記上、実質的に株式会社と同様の扱いを受ける特例有限会社となります。
特例有限会社は経営の自由度が高く、迅速な意思決定が可能なうえ、運営コストを抑えられるというメリットがあり、特に小規模な事業に向いている法人形態です。
その一方で資金調達の手段が株式会社よりも狭く、事業拡大が難しいというデメリットも存在します。
特例有限会社として存続するか、株式会社へ移行するかは、経営の将来性を考慮して判断することが重要です。
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