ガバナンスとは?意味や使い方、強化方法をわかりやすく解説

2025年4月8日

ガバナンスとは?意味や使い方、強化方法をわかりやすく解説

不祥事による信頼低下などのリスクをおこなうために多くの企業がガバナンス強化に取り組んでいますが、なぜガバナンス強化が求められているのでしょうか。

今回はガバナンスの概要や類似の言葉との違い、取り組まないリスク、強化する方法などを網羅的に紹介していきます。

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ガバナンス(企業統治)とは

コーポレートガバナンス(企業統治)とは、企業が健全で持続可能な経営をおこなうために、経営陣の意思決定や行動を監視・牽制する仕組みのことです。

株主・取締役・監査役・社外取締役などが中心となり、経営の透明性と責任を確保することで、不祥事の防止や長期的な企業価値の向上を目指します。

ここではガバナンスの概要を説明していきます。

「ガバナンス」の使い方

詳しくは後述しますが、「ガバナンス」の使い方には以下のような例があります。

【①「企業のガバナンスを強化する必要がある」】
経営の透明性や監視体制を強化するという意味です。

【②「ITガバナンスを整備する」】
情報システムやIT資源を適切に管理・活用する体制を整えるという意味です。

コーポレートガバナンス・コードの5原則

コーポレートガバナンス・コードとは、企業が健全な経営をおこない、株主や社会から信頼を得るための基本的なガイドラインです。日本では金融庁と東京証券取引所(東証)によって策定され、上場企業に適用されています。

ここではコーポレートガバナンス・コードの5原則を紹介していきます。

①株主の権利・平等性の確保

すべての株主が公平に企業経営に関与できるようにする仕組みを指します。

少数株主も含め、重要な経営判断に関する情報が適切に開示され、議決権の行使や経営陣への意見表明が妨げられない環境が求められています。

株主の多様性を尊重し、透明性のある経営を推進することで、企業の信頼性と持続的な成長が促進されます。

②株主以外のステークホルダーとの適切な協働

企業は株主だけでなく、従業員、取引先、顧客、金融機関、地域社会など多様なステークホルダーと協働することが求められています。

適切にステークホルダーの立場を守ることで、企業価値の向上・安定した経営・信頼関係の構築を期待できます。

③適切な情報開示と透明性の確保

「適切な情報開示と透明性の確保」は、企業がステークホルダーに信頼されるために不可欠な要素です。

財務状況、経営戦略、リスク要因などを正確かつ分かりやすく開示することで、株主やステークホルダーとの健全な関係を築くことができます。

これにより意思決定の公平性が高まり、企業価値の向上にもつながります。

④取締役会等の責務

経営をおこなう取締役は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を担う責任があります。

経営方針の決定や業務執行の監督を通じて、経営の健全性や透明性を確保することが求められています。また、取締役は株主やステークホルダーの信頼に応える姿勢も大切です。

⑤株主との対話

企業は株主との建設的な対話を通じて、中長期的な企業の成長と分配するための利益を追求することが求められています。

経営方針や財務情報を開示しつつ、株主の意見を経営判断に活かすことで、相互の信頼関係が深まり、ガバナンス体制の強化にもつながります。

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「ガバナンス」の使い方・用語

企業のコーポレートガバナンスに対する意識の向上とともに、ビジネスシーンでも「ガバナンス」を使った表現が増えています。

ここでは「ガバナンス」の使い方を紹介していきます。

「ガバナンスが効いている」

企業や組織の統治体制が適切に機能している状態を指します。不正や不祥事が未然に防がれ、経営が透明かつ健全に行われていることを示す表現です。

特に上場企業では、ガバナンスの有効性が投資家の信頼にも直結します。

ガバナンスが甘い

管理体制が不十分であることを意味し、情報漏洩や不正会計などのリスクを高める要因となります。

この表現は企業の信頼性や経営の脆弱性を示す警告として使用されていることが多く、改善が求められる場面で用いられています。

ガバナンス体制

企業が適切な意思決定や監督をおこなうための枠組みのことです。

取締役会、監査役、外部委員会などの構成や役割が含まれます。ガバナンス体制の整備は、企業の透明性向上やリスク管理能力の強化に直結します。

ガバナンス改革

ガバナンス改革とは、既存の統治体制を抜本的に見直すことです。

不祥事の再発防止や株主との信頼関係の回復を目的に、制度や運営体制の改善をおこないます。企業文化や意思決定プロセスにも変化をもたらす重要な施策です。

ガバナンスコード

ガバナンスコードは、企業が自ら遵守すべき統治の指針を示す文書です。

例えば前述した「コーポレートガバナンス・コード」があり、上場企業が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために活用されています。

ガバナンスリスク

統治体制の不備や機能不全により、企業が法的・社会的信頼を損なうリスクのことです。

具体例としては、内部不正の見逃しや経営陣の独断などが挙げられ、早期発見と体制の構築が求められています。

ガバナンス効果

ガバナンス効果とは、統治体制の整備によって得られるポジティブな成果のことを指します。

経営の透明性が増し、投資家や顧客の信頼が向上するほか、企業全体の意思決定が迅速かつ公正になります。その結果として、企業価値の向上にもつながります。

ガバナンスと類似の言葉の違い

ビジネスシーンではガバナンス以外にも類似した言葉が使用されていることが多く、中には混同してしまう方もいるかもしれません。

ここではガバナンスと類似した主な言葉を解説していきます。

ガバナンスとコンプライアンス

ガバナンスは企業を健全に運営するための組織体制や仕組みを指し、取締役会などによる監督が中心となります。一方、コンプライアンスは法令や社内規定を守る行動を意味します。

日本では2000年代の不祥事を背景にコンプライアンスが注目されるようになり、2006年の会社法施行後はガバナンス体制の強化が進みました。

両者は企業の信頼性と持続的成長を支える重要な基盤であり、相互に機能することで健全な経営が実現します。

ガバナンスとリスクマネジメント

ガバナンスは経営の健全性と透明性を確保するための体制づくりを指します。一方、リスクマネジメントは、企業活動における損失のリスクを予測・管理し、被害を最小限に抑える取り組みです。

リスクマネジメントは1980年代以降、企業の国際化や情報化の発展により注目され、ガバナンスは2000年代の不祥事を契機に強化されました。

両者は密接に連携し、ガバナンス体制のもとでリスクを適切に管理することが企業の持続的成長には不可欠です。

ガバナンスと内部統制

ガバナンスは経営全体を監督・統制する仕組みを指し、内部統制はその一部に位置づけられています。内部統制は、業務の有効性や法令遵守、資産保全を目的とした社内ルールや仕組みのことです。

内部統制は米国の企業であるワールドコムが引き起こした不正会計事件を契機に2000年代から整備が進み、日本でも「金融商品取引法」によって企業に導入が求められました。

ガバナンスの強化には、信頼性の高い内部統制の構築が重要です。

ガバナンスとガバメント

「ガバナンス」は組織や社会を統治・運営する仕組みを指します。一方、「ガバメント」は政府や国家など公的機関そのものを意味します。

1990年代以降、国家の役割縮小に伴い、多様な主体による統治を表す言葉として「ガバナンス」が注目されるようになりました。ガバメントが「誰がおこなうか」を意味するのに対し、ガバナンスは「どのようにおこなうか」に焦点を当てています。

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ガバナンス強化が求められる理由・メリット

ガバナンス強化は、不祥事や経営の失敗の予防、透明性や健全性の向上を目的に、多くの企業で注目されています。主なメリットは以下の通りです。

  • 経営の透明性向上:適切な情報開示で社内外の信頼性を確保
  • リスク管理の強化:不正や不祥事を未然に防止
  • 意思決定の質向上:多様な視点を取り入れ、合理的な判断が可能に
  • 投資家・株主からの評価向上:信頼できる体制が資金調達を有利にする
  • 企業価値の長期的向上:安定した経営でブランドや業績にもポジティブな影響がある

上記のようにガバナンス強化は組織の基盤づくりにおいて欠かせない取り組みだといえます。

ガバナンスが効いていないときに起こること

ガバナンスが機能しなくなった場合、内部統制ができなくなることで不祥事が発生しやすくなります。

ここではガバナンスが効いていない場合に起こる主なリスクを紹介していきます。

不祥事発生のリスク

ガバナンスが機能していない場合、不正会計や内部不正、コンプライアンス違反などの不祥事が発生しやすくなります。

主な原因は、経営陣による独断的な意思決定や、内部牽制の欠如、不十分な情報開示などが挙げられます。

不適切な意思決定が続けば、企業の信頼失墜や株価下落、法的責任といった深刻な事態に発展するおそれがあります。適切な監視体制とルール整備が不祥事防止の鍵を握ります。

経営者の私欲が働くリスク

経営者の私利私欲が優先されると、会社資産の私的流用や不適切な意思決定が行われ、企業の健全性が損なわれます。

そうしたリスクが発生する主な原因としては、ガバナンス体制の不備や監視の弱さが挙げられます。権限が一部に集中しすぎると透明性が失われ、組織全体の信頼性も低下します。こうしたリスクを防ぐには、社外取締役の導入や内部監査の強化が有効です。

不正のリスク

不正のリスクには、横領・粉飾決算・情報改ざんなどが含まれます。原因としては、内部統制の甘さや監査体制の不備、従業員へのプレッシャーなどが挙げられます。

特にガバナンスが弱い企業では、不正が長期にわたって見過ごされやすく、企業の信用失墜や法的制裁につながるおそれがあります。

例えばかつて時価総額世界1位を誇った米国の銀行ウェルズ・ファーゴでは、達成不可能なKPIを従業員に課したことで長年にわたって不正が横行しました。

最終的に当時のCEOの辞任、不正をおこなった従業員5,300人の解雇、約5,000億円の制裁金および顧客への補償を支払う事態となりました。

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コーポレートガバナンスを強化する方法

健全な経営をおこなううえでは必須といっても過言ではないコーポレートガバナンスですが、どのように強化していけば良いのでしょうか。

ここではコーポレートガバナンスを強化する主な方法を解説していきます。

コンプライアンスの徹底

コンプライアンスの徹底には、社内規程の整備、研修の実施、内部通報制度の導入が有効です。

これにより法令違反や不正の予防につながり、企業の信頼性向上やリスクの低減が期待できます。従業員の意識向上も促され、組織全体の健全な運営が実現できます。

なおトップダウン形式での研修では形骸化することで十分に浸透しないおそれがあるため、従業員の日常業務と紐づける形で自発的に学べるような工夫をすると良いでしょう。

リスクマネジメントをおこなう

リスクマネジメントでは、リスクの洗い出し・評価・対応策の策定・定期的な見直しが重要です。災害・情報漏洩・法的トラブルなどの事前対策により、被害を最小限に抑えることができます。

「利益を生み出すわけではないから…..」と後回しにする企業も存在しますが、リスクマネジメントの徹底により経営の安定性も高まるため、結果的に信用力や投資家からの評価向上にもつながります。

内部監査機関の利用

内部監査機関を活用することで、業務や会計の適正性を客観的にチェックできます。

定期的な監査により、不正やミスを早期に発見することが可能となり、組織全体のコンプライアンス意識が向上します。

また経営の透明性や信頼性を高めることで外部からの支持も集めやすくなります。

内部統制を図る

内部統制を図るには、業務の手順や責任範囲を明確にし、チェック機能を組み込むことが大切です。

例えば、承認フローの整備や職務分掌の徹底により、不正やミスの抑止につながります。適切な内部統制は、法令遵守の強化や業務の効率化、企業の信用向上にも寄与します。

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まとめ

上場を目指している場合、コーポレートガバナンスの強化は必須であり、取り組むことで間接的に株主や投資家などのステークホルダーからの評価を高めることにもつながります。

「利益を生むわけではないから」と後回しにしていると、リスクが発生した場合に深刻な被害を受けてしまうおそれがあるため、日頃から取り組むようにすることが望ましいです。

初めての起業や異業種参入を検討している場合は、フランチャイズへの加盟も検討しましょう。

フランチャイズでは業界を知り尽くした本部が経営ノウハウを提供しているほか、営業や集客、仕入れなどをサポートしており、コーポレートガバナンスの体制についても助言を受けられる場合もあり、未経験でも最初から安定した経営をおこないやすい傾向にあります。

担当者T.Aのイラスト

記事の監修者

平林 英雄

行政書士・保育士・AFP

新卒でコンサルティング会社に入社し、10年間にわたり中小企業の経営計画策定や新規事業の立ち上げ支援に従事。飲食、介護、福祉分野のチェーン本部を経験した後、独立し行政書士としての活動を開始。
現在は法人設立や資金調達などの創業支援、許認可取得や補助金申請などの中小企業支援をおこなっている。2021年より中小企業庁の認定経営革新等支援機関。