障がい者の雇用支援はどのようなものがある?支援機関や支援サービスを紹介

2024年5月1日

障がい者の雇用支援はどのようなものがある?支援機関や支援サービスを紹介

障害をお持ちの方が働くことを考えたとき、どのように仕事を探せば良いか、どのような支援機関があるかを考えることが悩むことがあるでしょう。

障がい者の数は年々増加し、それに応じて障がい者雇用をおこなう企業や仕事探しをサポートしてくれる組織も増えていますが、逆にどのような違いがあるか分かりづらくなってしまっているのも事実です。

この記事では障がい者が「働く」を考える際にどのように進めれば良いか、どのようなサポートがあるかをご紹介します。

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障がい者が働くためにはどうすれば良い?

障がい者が働くためにはいくつかの方法があります。

  • オープン就労:一般企業に障害を開示して働く方法。基本的には障がい者雇用枠での応募。
  • クローズ就労:一般企業に障害を提示せずに働く方法。基本的には一般枠での応募。
  • 障がい者雇用:一般企業の障害者雇用枠に応募して働く方法。
  • 特例子会社:障がい者雇用のために設立された一般企業傘下の会社で働く方法。
  • 就労継続支援:障害福祉事業所である就労継続支援事業所で働く方法。

それぞれ働くまでの流れやメリット・デメリットも異なります。

ここでは、障害を持つ方が働くまでの流れや押さえるべきポイントをご紹介します。

障がい者手帳の取得

障害を持つ方が働くことを考える際、基本的には障がい者手帳を取得することをオススメします。

障害や難病の程度によっては障害への配慮が必要なく、クローズ就労で働く場合もありますが、障がい者手帳を取得することによるデメリットは存在しないため、障がい者手帳を取得した方が良いといえるでしょう。

なおクローズ就労以外の方法では、ほとんどの場合は障がい者手帳を所持している必要があります。

障がい者手帳は障害種別により異なり、視覚や聴覚、内部への障害であれば「身体障がい者手帳」を、知的障害や発達の障害であれば「療育手帳」を、統合失調やうつ病などの精神疾患であれば「精神障がい者保健福祉手帳」の、3種類のいずれかを取得します。

これらの障がい者手帳があれば、障がい者雇用枠や特例子会社への応募、就労継続支援事業所への応募・採用が可能になります。

障がい者雇用の支援機関を利用する

詳細は後の項目でご紹介しますが、障がい者が働くためのサポートをする機関・組織は複数存在します。

支援の内容はそれぞれ異なりますが、直接働く場所を提供するものや、働くための訓練やプログラムを実施するもの、職場の紹介をするものや、就労後に定着できるようサポートするものなどがあります。

障害や病気の程度、働くうえでの不安がどこにあるかによって、利用するべき支援機関は異なります。

自分で選ぶことが難しいようであれば、相談支援事業所などに確認してみるのも良いでしょう。

障がい者雇用支援サービスの活用

障がい者の雇用を支援するサービスを提供している事業者も複数あり、それらを活用するのも一つの手です。

障がい者雇用支援サービスを提供している事業者の多くは、障がい者と企業の間に入ってマッチング・雇用につなげるための支援をしています。

提供しているサービスが障がい者の雇用に特化している場合、公的な支援機関よりも働くまでの期間が短く済んだり、より多くの選択肢から職場を選べる可能性もあります。

障がい者雇用の給料はどのくらい?

障がい者が働く方法には5つあるとご紹介しましたが、そのうち障がい者雇用枠で応募し働き始める場合、障害特性について採用段階で伝えておけば、休憩や残業時間の調整、通院への理解など、企業からの理解・配慮が得られることが期待できます。

ただし平成30年度の厚生労働省の調査によると、障がい者雇用枠での採用の場合の平均賃金は、一般雇用と比較して低い傾向にあります。

一ヵ月の平均賃金の12ヵ月ぶんで計算すると、身体障害では258万円、知的障害では140.4万円、精神障害では150万円、発達障害では152.4万円がそれぞれの年収となり、一般雇用の403.2万円と比べてみても障害者雇用の賃金は低いといえます。

障がい者雇用の支援機関を活用しよう

障がい者の「働く」を支えるため、様々な役割や支援体制を持っている各地域の機関・組織が相互に連携し合っています。

厚生労働省「障害者就業・生活支援センターの概要」より、雇用と福祉のネットワーク

厚生労働省が作成した上記のイメージは、障がい者就業・生活支援センターを中心とした場合の雇用・福祉のネットワークです。

ご紹介した通り、強みや特性は機関によって異なりますが、それぞれ連携しているため、希望すれば包括的なサポートを受けることが可能です。

ここでは、上記の図にないものも含め、障がい者雇用の支援機関をご紹介します。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障がいのある方が「仕事」と「生活」において自立し、充実した日々を送ることを支援するための施設で、通称「なかぽつ」と呼ばれています。

これらのセンターは、福祉と雇用の間を繋ぐ重要な役割を担い、都道府県知事によって指定された公益法人や社会福祉法人、NPOなどによって運営されています。

働くための方法を考える際の事前相談から、書類作成や面接のサポート、他の機関との連携のほか、就職後の定着支援なども支援しています。

障害を持つ方の雇用・定着を増やすため企業の相談にも対応しており、事業主に対する障がい者雇用への助言や、職場訪問しての上司・同僚への啓蒙・教育も実施しています。

就労移行支援事業所

就労移行支援は、障害や難病をお持ちの方の就職に向けての準備から、就職活動のサポート、就職後の定着支援など、就職に関しての様々なサポートをおこなうサービスです。

就職のための支援に特化している通所型のサービスで、就職するための相談から、目指す職業で必要となるスキルを得るための訓練、職場探し、就職後のサポートまで受けることが可能です。

受講できる訓練(プログラム)については就職を目指す職業や事業所によっても異なりますが、ビジネスマナーや応募書類の作成などの基本的なものから、WordやExcelなどの具体的な業務につながるパソコントレーニング、デザインやプログラミング言語の習得などの職種に特化したプログラムを組む事業所もあります。

就職後のサポートもおこなうために採用後の会社からの相談窓口としての機能も持ちますが、こちらは有期となるため、期間終了後は障害者就業・生活支援センターなどと連携し、支援を引き継ぎます。

就労継続支援事業所

就労継続支援とは障害や難病のために一般企業で働くことが困難な人々を対象とした障害福祉サービスで、知識や能力の向上を目的に、働く機会と訓練・支援を提供します。

サービスの利用者は障害の程度や体調に合わせて働くことができ、訓練や支援を受けながら給与・工賃といった報酬を受け取ることができ、一般就労に向けてのサポートを受けることができます。

就労継続支援は雇用契約の有無により「就労継続支援A型」と「就労継続支援B型」の2種類に分かれ、支援の内容や給料(工賃)が異なります。

事業所ごとに業務や支援の内容も異なりますが、雇用契約を結ばないことにより、B型の方が比較的簡単な仕事が多く柔軟な働き方ができるなど、障害に対しての支援が多い傾向にあります。

就労継続支援事業所では働く機会を提供する特性上、障害特性やスキル、得手・不得手を理解したうえでの就労支援・マッチングが期待できます。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは独立行政法人高齢・障害者・求職者雇用支援機構が運営している施設で、障害をお持ちの方に専門的な職業リハビリテーションを提供しています。

現状のスキルを分析したうえでの職業リハビリテーションの計画を策定し、就労場面を想定した作業や職業知識についての講習を実施、就業後も職場にジョブコーチを派遣することで本人や周囲に対して支援をおこないます。

障害者就業・生活支援センターでは仕事と生活両面での支援をしているのに対し、地域障害者職業センターでは専門的な支援の実施が目的であり、障害者職業カウンセラーや相談支援専門員、ジョブコーチなどを配置しています。

こちらの施設でも事業主からの相談に対応しており、障害者雇用に対するニーズや問題の分析、雇用管理に関する助言・サポートを提供しています。

相談支援事業所

相談支援事業所は、障害をお持ちの方がどのような支援や福祉サービスを受けられるか分からないという際、一人ひとりの状況や障害特性に応じた機関・組織を紹介するサービスです。

医療機関や地域の福祉課、各福祉事業所などと連携しているため、現状の課題に対して適切なサービスを受けられる機関や利用方法などを紹介してもらうことができます。

障害者就業・生活支援センターとはサービスの領域が重複する箇所も多いですが、イメージとしては相談支援事業所がより手前の相談に対応するものとなります。

また相談支援事業所は各福祉サービスを利用する際に必要となる「サービス等利用計画書」を作成する機能もあるため、働くうえで就労継続支援事業所を利用することも検討するようであれば、相談から利用まで一貫してサポートを受けることが可能です。

ハローワーク

ハローワーク(公共職業安定所)は厚生労働省が運営する雇用サービス機関であり、障害を持たない人が利用するイメージがあるかもしれませんが、障がい者の雇用支援も実施しています。

サポートは求人の紹介だけでなく、障害に対して専門的な知識を持つ職員や相談員による自己分析や、自身の障害特性における仕事の適性の相談、採用面接への同行依頼もできます。

またハローワークでは障がい者雇用を進めたい企業からの相談も受けているので、採用担当者の考えや職場の環境なども把握している場合があり、そのことから自身の希望にマッチする職場を紹介してもらうことが可能です。

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障がい者雇用支援サービスはどんなもの?

国の機関や福祉事業所だけでなく、民間の企業でも障がい者の雇用を支えるための支援サービスを提供している場合があります。

これらのサービスは主に、障がい者雇用を進めたいが上手くいかないといった企業と障がい者の間に入り、採用や定着といった観点で企業をサポートします。

ご紹介した国のサービスと機能としては重複する箇所もありますが、機能に特化するなど企業の課題解決により力を入れているサービスも存在し、障がい者としてもこれらのサービスを利用することでより早く自分に合った職場を見つけられる場合もあります。

ここでは、障がい者雇用支援サービスについて、主なものをご紹介します。

人材紹介

人材紹介サービスのなかには、障がい者の紹介に特化したものも存在します。

通常の人材紹介と同様、希望する条件や職種などで求人を紹介してもらうことができ、数多くの求人から働く先を選ぶことができます。

障害特性に応じた職業紹介や、書類作成・面接対策などのサポートを受けられる場合もあり、多くの人材紹介の経験・ノウハウから、就業までスピーディーに進めることを得意とします。

企業としても自社の人材要件を踏まえたうえで紹介を受けられるという安心感があり、マッチング率の高い障がい者雇用を進められるというメリットがあります。

採用代行/支援

障がい者雇用を進めたいという会社に代わり、採用業務を代行するサービスです。

人材紹介とは異なり、求人の出し方・出し先などの採用戦略の策定、面接・選考、業務切り出しなどの、企業の採用業務自体を請け負います。

企業は採用工数を削減しつつ採用ノウハウを得られるのに対し、障がい者は企業との間に代行会社が入ることで適切なフィルタリングがおこなわれるため、採用後のアンマッチを防ぐことができます。

研修・セミナー

障がい者を雇用するにあたって必要な各種セミナー・プログラムを実施している会社も存在します。

このサービスを導入している会社は人事担当者・経営者はもとより、現場の担当者や上司などから障害に対しての理解を得られることが期待できます。

会社としてはサービスを利用することで障がい者の定着率が改善することのほか、会社の多様性を受け入れる文化を醸成することができ、誰もが働きやすく人材流出しづらい風土づくりにつなげられます。

サテライトオフィス・レンタル農園

会社によっては、障がい者が働きやすいように環境を整えたサテライトオフィスや農園をレンタルするサービスを提供しています。

サポートスタッフが常駐しており、障がい者同士でのコミュニティもできるため、安定して働き続けることができます。

企業としても法定雇用率を大きく改善できるうえ、既存の業務内容の切り出しが難しい場合でも導入できるため、近年注目されているサービスです。

まとめ

障がい者が働くことを支援する機関やサービスは多数ありますが、サポート内容が一部重複しているものもあるため、分かりづらいと感じることもあるかもしれません。

しかしそれぞれの機関・サービスごとに強みやメリットがあり、働くうえでの大きな支えになるため、ぜひ活用していきたいところです。

自身で調べてもわからない場合は、広く相談を受け付けている障がい者就業・生活支援センターや相談支援事業所を利用しても良いでしょう。

一方、企業としても障がい者の雇用を進めるうえでの不明点や不安はあると思います。

その際はハローワークなどに相談するほか、雇用支援サービスを提供している会社やコンサルティング会社に相談してみることをオススメします。

なお、GLUGでは障害をお持ちの方をサポートするため、就労継続支援A型事業所や障がい者グループホームの開業から運営まで一貫して支援しています。

これまで1,000社以上のご相談に対応し、法定雇用率を大きく改善した実績もありますので、ご興味がございましたらお気軽にご相談ください。

就労継続支援A型コンサルティング『はぐくみ弁当Plus』について

株式会社GLUGでは就労継続支援A型事業の開業・運営のトータルサポート事業『はぐくみ弁当Plus』を全国で展開しています。

働きたい障がい者と、人手が欲しい・法定雇用率を改善したい企業のそれぞれの課題を解決するため、障害福祉×弁当デリバリーの事業を構築し、高い収益と社会貢献を両立できるよう支援してきました。

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