障害福祉サービスとは?対象者や種類、受給者証についても解説

2024年6月26日

障害福祉サービスとは?対象者や種類、受給者証についても解説

障害福祉サービスとは?対象者や種類、受給者証についても解説

「障害福祉サービスを利用したい」と考えていても、その種類は多岐にわたるほか、手続きも一部異なるため、思うように進められない方もいるのではないでしょうか。

今回は障害福祉サービスの概要や利用に必須となる受給者証、障害福祉サービスの種類、手続きの主な流れなどをご紹介していきます。

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障害福祉サービスとは

障害福祉サービスとは障害者総合支援法(正式名称:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)で国によって定められた福祉サービスの一つです。

障害や難病を持つ方の支援をおこなっており、「障害の有無に関わらず、お互いを尊重しながら、共生する社会の実現」を目的としています。

障害・難病の度合いや悩みによって必要な支援は異なるため、そうした需要に応える複数の障害福祉サービスが展開されています。

内閣府が発表する「令和4年度障害者試作の概状(令和5年版障害者白書)」で説明されているとおり、障害者の人数は増え続けており、現在は約1,160.2万人にものぼります。

しかし障害福祉サービスを提供する事業所数は圧倒的に不足しているのが現状であり、大きな需要があります。

障害福祉サービスの対象者

障害福祉サービスの種類によって対象となる年齢や障害の度合いなどは少し異なりますが、共通する条件としては以下いずれかに当てはまる方が対象者となります。

  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 発達障害を含む精神障害者
  • 難病を持っている方(2024年4月より369疾病が対象)

対象となる難病は定期的に見直しがおこなわれており、厚生労働省の「障害者総合支援法の対象疾病(難病等)」で発表されます。

障害福祉サービスの種類

障害・難病の度合いや悩みによって必要な支援は異なるため、複数の障害福祉サービスが用意されており、大きく分けると「訓練等給付」と「介護給付」の2種類があります。

代表的な障害福祉サービスは、以下の通りです。

それぞれご紹介していきます。

居住支援

居住支援は障害もしくは難病を持つ方の生活を支援する福祉サービスであり、以下の2種類があります。

  • 自立生活援助
  • 共同生活援助(グループホーム)

自立生活援助

自宅などで自立した生活を目指す方を支援するサービスで、以下いずれかの方が対象になります。

  • これから一人暮らしを始める場合で生活力に不安がある方
  • すでに一人暮らしをしていて生活の支援が必要な方
  • 家族による援助を受けられないことで実質的に一人暮らしと同じ状態の方

自立生活援助が始まる前は、主に以下のような課題が浮き彫りになっていました。

  • 一人暮らしの障害者に十分な支援が提供できない
  • 一人暮らしを望む障害者が生活力の不安から実現を諦めるしかない
  • 家族の高齢化で支援が難しくなり、一人暮らしの状態と変わらない

そうした状況を解決するために障害者総合支援法の改正(2016年改正・2018年施行)によって、自立生活援助が誕生しました。

自立生活援助では、担当の地域生活支援員が週1回以上サービス利用者の自宅を訪問し、食事や家賃の支払い状況などを確認・自立に向けた適切なアドバイスなどをおこないます。

共同生活援助(障害者グループホーム)

障害を持つ方が世話人などの支援を受けながら共同生活を送るための障害者福祉施設のことです。

入居するためには前述した共通の条件のほか、身体障害の場合は65歳未満か、65歳になるまでに何らかの障害福祉サービスを利用したことがある方のみが対象になります。

また入居できる年齢は原則18歳以上となりますが、児童相談所長が許可した場合に限り、15歳から入居することができます。

障害者グループホームの入居者は、世話人・生活支援員などから食事や入浴など日常生活上の支援を受けながら、共同生活を送るなかで自立を目指します。

入居者には各自個室が用意されていますが、食堂・風呂場などは共同スペースになっており、入居者同士協力し合いながら生活します。

今回は簡易的な説明となりましたが、さらに詳しく共同生活援助を知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

障害者グループホームとは?種類や条件、メリットを解説

自立訓練

障害・難病を持つ方が自立に必要な生活力を訓練するためのサービスであり、以下の3種類があります。

  • 機能訓練
  • 生活訓練
  • 宿泊型自立訓練

厚生労働省の「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」で説明されている通り、以前は障害の種類ごとに利用できる訓練が限定されていましたが、2018年4月から障害の区別なく利用できるようになりました。

機能訓練

身体機能と生活力の向上を目指すための訓練を提供するサービスで、以下の状況に当てはまる方が利用できます。

  1. 入所施設・病院を退所・退院した者であって、地域生活への移行等を図る上で、身体的リハビリテーションの継続や身体機能の維持・回復などを目的とした訓練が必要な者
  2. 特別支援学校を卒業した者であって、地域生活を営む上で、身体機能の維持・回復などを目的とした訓練が必要な者等
    出典:厚生労働省「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」

サービス利用者に対して、理学療法・作業療法やリハビリテーションなどの支援をおこない、身体機能の維持・向上を図ります。

生活訓練

生活力の維持・向上を図るための訓練を提供するサービスで、以下の状況に当てはまる方が利用できます。

  1. 入所施設・病院を退所・退院した者であって、地域生活への移行を図る上で、生活能力の維持・向上等を目的とした訓練が必要な者
  2. 特別支援学校を卒業した者、継続した通院により症状が安定している者等であって、地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上などを目的とした訓練が必要な者等
    出典:厚生労働省「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」

サービス利用者に対して、入浴や整容、食事、排泄など日常生活を送るために必要な訓練・支援をおこないます。

宿泊型自立訓練

宿泊型自立訓練は、日中は仕事をしていたり、その他の障害福祉サービスを利用していたりする方を対象として、一定期間の宿泊で生活能力の維持・向上を図るサービスです。

前述した生活訓練の利用要件を満たしていることに加えて、以下の条件に当てはまる方が対象となります。

  1. 特別支援学校を卒業した者であって、ひとり暮らしを目指して、更なる生活能力の向上を図ろうとしている者
  2. 精神科病院を退院後、地域での日中活動が継続的に利用可能となった者であって、更なる生活能力の向上を図ろうとしている者
    出典:厚生労働省「自立訓練(機能訓練・生活訓練)に係る報酬・基準について」

前述した共同生活援助と仕組みが似ていますが、あくまでも共同生活援助は入居者の生活を支援するサービスであるのに対して、宿泊型自立訓練は日常生活を送るための訓練に特化したサービスです。

就労支援

障害や難病が理由となり、一般企業で働くことが困難な方を対象とした福祉サービスのことです。

就労支援ではサービス利用者に働く場を提供しつつ、スキルや経験を積むための訓練・支援をおこない、自立した生活を送れるようにサポートします。

就労支援は働きながら訓練・支援を受けるための就労継続支援、一般企業への就労に向けた訓練・支援を受ける就労移行支援、職場に定着してもらうための就労定着支援に分けられ、以下の種類があります。

今回は簡易的な説明となりますので、詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

就労支援とは?就労継続支援A型、B型、就労移行支援の違いについて解説

就労継続支援A型

就労継続支援A型では、障害や病気を理由に働くことが難しい方に働く場を提供し、自立した生活に向けた訓練・支援をおこないます。

就労継続支援A型事業所はサービス利用者と雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の給与が支払われます。

障害福祉サービスの共通する条件を満たすことに加え、原則18歳から65歳未満で次の条件に当てはまっている必要があります。

  1. 移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者
  2. 特別支援学校を卒業して就職活動をおこなったが、企業等の雇用に結びつかなかった者
  3. 就労経験のある者で、現に雇用関係の状態にない者

例外として、次の要件を満たす場合は65歳以上も利用することができます。

【65歳以上の要件】
65歳に達する前5年間障害福祉サービスの支給決定を受けていた者で、65歳に達する前日において就労継続支援A型の支給決定を受けていた者は当該サービスについて引き続き利用することが可能。
出典:厚生労働省「障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス」

ただし、この例外は市区町村の審査を通過する必要があるほか、事業所によっては雇用契約で65歳までの年齢制限を設けている場合があります。

就労継続支援B型

障害や病気などが理由で一般企業で雇用契約に基づく労働が困難な方を対象とした福祉サービスです。

サービス利用者に働く場所を提供し、日々の労働を通して自立した生活に向けた支援・訓練をおこなっています。

就労継続支援A型と異なり、雇用契約に基づく労働が困難な方を対象としていることから、サービス利用者と雇用契約を結ばない仕組みであるものの、そのためサービス利用者の自由度は高く体調や精神面などを優先しながら無理のないペースで働けます。

障害福祉サービスの共通する条件を満たすことに加え、主治医から了解を得たうえで以下いずれかの条件を満たす必要があります。

  1. 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者
  2. 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者
  3. ①及び②に該当しない者で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者
    出典:厚生労働省「障害者の就労支援について」

上記のように、障害の有無にかかわらず、高齢や体力が理由で一般企業での就労が難しくなった方もB型事業所を利用することができます。

今回は簡易的な説明となりましたが、詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

就労継続支援B型のメリットとデメリットとは?利用者側・事業所側の視点で解説

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業などへの就労を希望するサービス利用者に就労に必要な能力向上のための訓練・支援を提供する福祉サービスです。

就労移行支援で提供されるサービスには、主に職業訓練と就職活動支援の2種類があります。

【職業訓練】
サービス利用者が一般就労するためのスキル・経験を学べる訓練を提供する福祉サービスです。
事業所が提供する研修・プログラムによって内容は異なりますが、ビジネスマナーやプログラミング、Webデザインなどを学ぶことができます。

【就職活動支援】
サービス利用者を一般就労につなげるために、カウンセリングや求人情報の紹介、書類作成サポート、面接の練習などを提供する福祉サービスです。
就職活動支援を活用することで、負担を軽減しながら効率的に就職活動を進められます。

就労定着支援(職場定着支援)

一般就労したサービス利用者が長く職場で働き続けられるように主に以下のサポートをおこなっています。

  • サービス利用者や企業との面談
  • 企業や関係機関との連絡調整、指導
  • サービス利用者の体調管理
  • 課題を解決するための支援

企業・サービス利用者の双方にメリットのあるサービスであり、一般就労したサービス利用者の早期離職を防ぎやすくなります。

原則利用期間は一般就労から6ヶ月後までとなりますが、事業所によって支援する期間は異なります。

その後の3年間は就労定着支援事業所が、それ以降の支援は障害者就業・生活支援センターがサービス利用者をサポートします。

今回は簡易的な説明となりましたが、詳しく就労移行支援事業を知りたい方はあわせて以下の記事もご覧ください。

就労移行支援事業とは?メリットや利用方法について解説

訪問

介護給付に分類される訪問は、要介護者の自宅などを訪問・日常生活の支援をおこなう障害福祉サービスで、以下の5種類があります。

  • 居宅介護(ホームヘルプ)
  • 重度訪問介護
  • 同行援護
  • 行動援護
  • 重度障害等包括支援

居宅介護(ホームヘルプ)

要介護者の自宅において入浴・排泄・食事・掃除・洗濯などの支援をおこなう福祉サービスで、以下いずれかの条件を満たす方が利用できます。

【居宅介護の利用条件】
障害支援区分が区分1以上(障害児にあってはこれに相当する支援の度合)である者
ただし、通院等介助(身体介護を伴う場合)を算定する場合にあっては、次のいずれにも該当する支援の度合(障害児にあっては、これに相当する支援の度合)であること

  1.  障害支援区分が区分2以上に該当していること
  2.  障害支援区分の認定調査項目のうち、次に掲げる状態のいずれか一つ以上に認定されていること
    ・歩行:全面的な支援が必要
    ・移乗:見守り等の支援が必要、部分的な支援が必要、又は全面的な支援が必要
    ・移動:見守り等の支援が必要、部分的な支援が必要、又は全面的な支援が必要
    ・排尿:部分的な支援が必要、又は全面的な支援が必要
    ・排便:部分的な支援が必要、又は全面的な支援が必要
    出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

重度訪問介護

重度の身体障害・知的障害・精神障害によって日常生活を送ることが著しく困難な方の自宅で、入浴・排泄・食事・掃除・洗濯などの支援をおこなう福祉サービスです。

以下いずれかの条件を満たす方が利用対象となります。

【重度訪問介護の利用条件】
障害支援区分が区分4以上(病院等に入院又は入所中に利用する場合は区分6であって、入院又は入所前から重度訪問介護を利用していた者)であって、次のいずれかに該当する者

  1. 次のいずれにも該当する者
    (1) 二肢以上に麻痺等があること
    (2) 障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されていること
  2. 障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者
    出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

同行援護

視覚障害によって移動することが著しく困難な障害者などを対象としたサービスで、利用者に同行することで移動に関する必要な支援をおこないます。

対象者は以下の通りで、障害支援区分の認定は必須ではありません。

【同行援護の対象者】
視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等であって、同行援護アセスメント調査票による、調査項目中「視力障害」、「視野障害」及び「夜盲」のいずれかが1点以上であり、かつ、「移動障害」の点数が1点以上の者
出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

行動援護

知的障害・精神障害によって常時介護が必要な方を対象に、外出時の食事や排泄、行動時の危険防止などのサポートをおこないます。

対象者は以下の通りです。

【行動援護の対象者】
障害支援区分が区分3以上であって、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上(障害児にあってはこれに相当する支援の度合)である者
出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

日中活動

日中活動は、病院や障害者施設などの施設で主に日中に障害や難病を持つ方を介護・支援をおこなうサービスで以下の3種類があります。

  • 療養介護
  • 生活介護
  • 短期入所(ショートステイ)

療養介護

病院で医療的なケアと常時介護が必要な障害を持つ方を対象に、主に日中に介護・日常生活上の支援をおこなうサービスです。

利用対象者は、以下の通りです。

【療養介護の対象者】

病院等への長期の入院による医療的ケアに加え、常時の介護を必要とする障害者として次に掲げる者

  1. 障害支援区分6に該当し、気管切開に伴う人工呼吸器による呼吸管理をおこなっている者
  2. 障害支援区分5以上に該当し、次の1から4のいずれかに該当する者であること。
    1 重症心身障害者又は進行性筋萎縮症患者
    2 医療的ケアの判定スコアが16点以上の者
    3 障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者であって、医療的ケアの判定スコアが8点以上の者
    4 遷延性意識障害者であって、医療的ケアの判定スコアが8点以上の者
    ※医療的ケアの判定スコア
  3. 1及び2に準じる者として市町村が認めた者
  4. 改正前の児童福祉法第43条の4に規定する重症心身障害児施設に入所した者又は改正前の児童福祉法第7条
    第6項に規定する指定医療機関に入院した者であって、平成24年4月1日以降指定療養介護事業所を利用する1及び2以外の者
    出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

生活介護

障害者施設などで常時介護が必要な障害を持つ方を対象に、主に日中に入浴・排泄・食事・掃除・洗濯などの支援や創作活動・生産活動の提供をおこなうサービスです。

利用対象者は、以下の通りです。

【生活介護の対象者】

地域や入所施設において、安定した生活を営むため、常時介護等の支援が必要な者として次に掲げる者

  1. 障害支援区分が区分3(障害者支援施設等に入所する場合は区分4)以上である者
  2. 年齢が50歳以上の場合は、障害支援区分が区分2(障害者支援施設等に入所する場合は区分3)以上である者
  3. 生活介護と施設入所支援との利用の組合わせを希望する者であって、障害支援区分が区分4(50歳以上の者は区分3)より低い者で、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案を作成する手続を経た上で、市町村により利用の組合わせの必要性が認められた者
    出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

短期入所(ショートステイ)

介護を受ける障害を持つ方の自宅での自立した生活を図るために、障害者支援施設などに短期間入所してもらうサポートです。

また普段の介護者である家族の急な出張時や身体的・精神的負担を軽減する目的でも活用することができます。

短期入所の対象者は、以下の通りです。

【短期入所の対象者】
<福祉型(障害者支援施設等において実施)>
(1) 障害支援区分が区分1以上である障害者
(2) 障害児に必要とされる支援の度合に応じて厚生労働大臣が定める区分における区分1以上に該当する障害児

<医療型(病院、診療所、介護老人保健施設において実施)>
遷延性意識障害児・者、筋萎縮性側索硬化症等の運動ニューロン疾患の分類に属する疾患を有する者及び重症心身障害児・者 等
出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

施設

施設に分類される介護給付は、現在は施設入所支援のみとなります。

施設入所支援

障害者施設などに入所する障害を持つ方を対象に、主に夜間に入浴・排泄・食事などの介護をおこなうサービスです。

利用対象者は、以下の通りです。

【施設入居支援の対象者】

  1. 生活介護を受けている者であって障害支援区分が区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上である者
  2. 自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援B型の利用者のうち、入所させながら訓練等を実施することが必要かつ効果的であると認められる者又は通所によって訓練を受けることが困難な者
  3. 特定旧法指定施設に入所していた者であって継続して入所している者又は、地域における障害福祉サービスの提供体制の状況その他やむを得ない事情により通所によって介護等を受けることが困難な者のうち、1又は2に該当しない者若しくは就労継続支援A型を利用する者
  4. 平成24年4月の改正児童福祉法の施行の際に障害児施設(指定医療機関を含む)に入所していた者であって継続して入所している者
    出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

重度障害等包括支援

重度障害によって意思疎通や行動が著しく困難な方を対象に、これまでご紹介した居宅介護や自立訓練、就労継続支援などの介護・支援を包括的に提供するサービスです。

利用対象者は、以下の通りです。

出典:厚生労働省「障害福祉サービスについて」

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障害福祉サービスの利用金額

障害福祉サービスの利用料は利用日数と本人の世帯所得によって、月の負担上限額が設定されます。

厚生労働省「障害者の利用者負担」より負担の上限月額出典:厚生労働省「障害者の利用者負担」

利用日数が多い場合でも上限額を超えた金額を負担することはないほか、例えば就労継続支援A型では91.3%の方が生活保護と低所得のどちらかに分類され、無料で障害福祉サービスを利用しています。

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「厚生労働省 平成30年度障害者総合福祉推進事業 食事提供体制加算等に関する実態調査報告書」

障害福祉サービス受給者証とは

これまでご紹介した障害福祉サービスを利用するためには、障害福祉サービス受給者証が必須となります。

障害者手帳に関しては必須ではない障害福祉サービスが多く、障害者手帳をまだ持っていない場合でも障害福祉サービス受給者証が交付されるケースもあります。

交付までの流れは、以下の4ステップです。

  1. 障害福祉窓口で利用申請
  2. サービス等利用計画(案)の作成・提出
  3. 受給者証発行
  4. 事業所と雇用契約締結

必要な支援内容などをまとめたサービス等利用計画は、相談支援員に作成代行を依頼することもできます。

また受給者証の申請から発行までに1ヶ月から2ヶ月ほどかかるため、前もって行動するようにしましょう。

障害福祉サービス利用の流れ

障害福祉サービスを利用する場合、主治医に承認をとったうえで行政の障害福祉課などの窓口で訓練給付・介護給付の利用申請をおこないます。

訓練給付と介護給付では流れが一部異なりますが、主な流れは以下の通りです。

  1. 利用申請
  2. 障害支援区分の認定を受ける(介護給付・共同生活援助のみ)
  3. サービス等利用計画の作成・提出
  4. 暫定支給決定(自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型のみ)
  5. 支給決定

利用申請時に必要なものは主に以下の通りですが、行政によって異なるため、窓口で確認しておきましょう。

  • 申請書
  • マイナンバーカード
  • 印鑑
  • 障害者手帳(もしくは医師の診断書や障害福祉サービス受給者証)

介護給付では障害の度合いを示す障害支援区分の認定が必須となり、訓練等給付の場合は共同生活援助(障害者グループホーム)以外であれば認定は不要です。

サービス等利用計画はどういったサービスをどのように利用するのか示す書類のことであり、障害福祉サービスの利用開始をサポートする相談支援専門員に作成を依頼します。

訓練等給付に分類される自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型の場合は、サービス等利用計画の提出後に最大2ヶ月の暫定支給期間が設けられます。

暫定支給期間は試用期間ともいえ、この期間中に利用者の最終的な意向を確認したり、関連機関から利用者が客観的に働き続けられる状態なのかを確認したりします。

暫定支給期間を経て問題がなければ、正式にサービス利用となります。

障害支援区分とは

障害支援区分は障害の度合いを以下7段階に分類した区分のことであり、数字が低ければ障害が軽く、数字が高ければ障害が重いことを意味します。

介護給付と訓練等給付に分類される共同生活援助(障害者グループホーム)の場合は認定が必須となり、認定を受けていなければ利用することができません。

障害福祉サービスの探し方

ご紹介したように障害福祉サービスの種類は多岐にわたっているほか、サービスを提供している事業所・施設も全国各地に点在しています。

障害福祉サービスであれば何でも構わないということはなく、自分に合った事業所・施設を見つけることが望ましいです。

ここでは障害福祉サービスを探す場所を解説していきます。

ポータルサイト

ポータルサイトは特定の情報について集積しているWebサイトのことです。

障害福祉サービス事業所・施設の開業は国に報告することが法的に義務付けられているため、ポータルサイトを活用することで比較的容易に事業所・施設を調べられます。

また事業所・施設が公式サイトを運営していれば、ポータルサイト経由で事前に雰囲気や方針を把握することもできます。

まずはポータルサイトで現在住んでいる地域の市区町村名や障害種別、最寄り駅などで情報を絞って検索してみると良いでしょう。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センター(通称:なかぽつ、就ぽつ)は、障害を持つ方の就業面・生活面での相談・支援に対応している機関であり、全国各地に337ヶ所設置(2024年4月1日時点)されています。

センターを利用するためには登録が必要になるものの、相談・支援は無料であり、おすすめの障害福祉サービス事業所・施設を紹介してくれます。

また実際の事業所・施設の評判も確認できるため、自分に合った事業所・施設を見つけたい方は登録すると良いでしょう。

相談支援事業所

相談支援事業所は、障害福祉サービスを利用できるようにサポートする役割を担っており、情報共有や各関係機関との連絡調整などに対応しています。

本人の意向などを確認したうえで合いそうな障害福祉サービスを提供する事業所・施設を提案してくれるほか、希望の事業所・施設があればサービス利用を開始するための連絡調整もしてくれます。

また相談支援事業所では相談支援専門員にサービス等利用計画の作成を依頼できるため、障害福祉サービス受給者証を持っていない方は、作成依頼と同時並行でおすすめの事業所・施設を相談すると効率的に進められます。

見学・体験も活用しよう

周囲から評判が良いと聴いた事業所・施設でも実際に自分に合っているかどうかは分からないため、あらかじめ事業所・施設の見学・体験をするようにしましょう。

見学・体験は数時間から数日ほどの期間であるものの、支援の内容や就労支援の作業、経営方針、雰囲気などを自分自身の目で確かめることができます。

見学・体験を活用することでミスマッチを防ぎつつ、相談支援事業所などの関係機関と連携を図っていけば、自分に合う事業所・施設が見つかりやすくなります。

なお見学・体験は問い合わせたうえで日程調整する必要があるため、あらかじめ自分で問い合わせるか関係機関に依頼すると良いでしょう。

まとめ

障害福祉サービスは障害・難病を持つ方の需要や必要な支援内容に応じて、複数の種類が用意されており、その種類は多岐にわたります。

手続きも障害福祉サービスによっては複雑になる場合があり、効率的にサービスを始めるためには行政の障害福祉課や相談支援事業所などの関係機関に相談すると良いでしょう。

自分に合う障害福祉サービス事業所・施設を探す方法はさまざまですが、まだ障害福祉サービス受給者証を持っていない場合は、相談支援事業所での相談がおすすめだといえます。

相談支援事業所では障害福祉サービス受給者証の申請に欠かせないサービス等利用計画の作成に対応してくれるほか、合いそうな事業所・施設の提案や連絡調整もおこなってくれるため、効率的に進められます。

見学・体験なども複数の施設で実施すれば、サービス利用後のミスマッチを防ぐことができるでしょう。

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