FC(フランチャイズチェーン)とは?わかりやすく解説

2024年4月23日

FC(フランチャイズチェーン)とは?わかりやすく解説

FC(フランチャイズチェーン)という単語について、聞いたことはあっても、詳しく理解している人はあまり多くはないのではないでしょうか?

この記事では、FCの意味についてお話していくとともに、メリットやデメリット、直営店との違いや収益性についてもご紹介します。

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FCとは?

FCフランチャイズチェーン)とは、本部となる企業から商品やサービス、経営技術などを提供されることによって、加盟店が事業の運営をするというビジネスシステムです。

以下ではFCの言葉の意味や仕組みについて、簡単にご紹介します。

FCとはフランチャイズチェーンの略称

FCは「フランチャイズチェーン」という言葉の略称となります。

FCには元来、「特別の権利を与える」という意味があり、一般には、本部となる企業(フランチャイザー)が、加盟店のオーナー(フランチャイジー)を集めることで、本部の事業拡大を図る事業形態のことをいいます。

特別な権利とは、以下のような内容が含まれているとされています。

  1. フランチャイザーの商標、サービスマーク、チェーン名称を使用する権利
  2. フランチャイザーが開発した商品やサービス、情報など、経営上のノウハウを利用する権利
  3. フランチャイザーがフランチャイジーに継続的に行なう指導や援助を受ける権利

簡単にいうと

フランチャイズとは、本部企業に対して加盟店がロイヤリティという対価を支払うことで、本部企業が所有するブランド名や看板などの使用権や経営に関するノウハウの提供を受けて運営していく事業のシステムのことを指します。

フランチャイズを採用している業種でよく知られているのが、コンビニエンスストアや飲食店、清掃サービスなどです。

フランチャイズは多くのチェーン店を展開していくことから、フランチャイズチェーンと呼ばれることも多くあります。

ロイヤリティの支払いに関しては、定額制になっている場合もありますが、「売上に対して何%」など一定の割合で支払いをするという方法が多くなっています。

フランチャイザーとフランチャイジーの意味

フランチャイズの用語として、フランチャイズ(チェーン)本部のことを「フランチャイザー」、加盟する店舗のことを「フランチャイジー」と呼んでいます。

フランチャイザーは、商品の開発や仕入れ経路の確保、経営マニュアルの作成、人材の育成、宣伝活動をすることで、自社ブランドの価値を維持することやサービスの向上、フランチャイジーに利益が出ることで長く加盟し続ける仕組みづくりをすることに注力します。

その一方で、フランチャイジーは、フランチャイザーから提供されたブランドを使用する権利や経営に関するノウハウなどを活用し、店舗の運営をおこないます。

フランチャイジーとしては、自社の売上・利益の向上を目指すとともに、本部から得たブランドイメージの維持や向上に貢献することも役割の一つとなります。

なお、フランチャイジーはフランチャイズに加盟するものの、独立した事業者という扱いになるので、開業届の提出が必要となり、経営における責任は自身に帰結します。

そのため、従業員を雇う際の雇用契約書の準備や社会保険の手続きについても、加盟店のオーナー自身がおこなう必要があります。

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FCの事例

よく知られているフランチャイズの業種として紹介したよう、「フランチャイズ」という言葉を聞いて、最初に思い浮かべる業種はコンビニなどの大手チェーンなどでしょう。

しかしながら、フランチャイズを展開する業種には、色々な業種があります。

以下では実際にFC経営をしている業種についてご紹介します。

コンビニエンスストア

コンビニはFCの代表的な業種といえ、今となっては大手チェーンの看板を掲げずにコンビニを経営している店舗のほうが圧倒的に少なくなっています。

コンビニのFC契約に関しては、本部側で土地や店舗を用意する契約タイプ、加盟社側で土地や店舗を用意する契約タイプの2種類に分けられます。

例えばローソンの場合、どちらのタイプでも加盟金は100万円となりますが、ロイヤリティに関しては契約のタイプや売上の粗利益によって割合が変わります。

この加盟金やロイヤリティを対価として支払うことで、ローソンというブランドや充実したサポートを受けることができます。

飲食店

数種類のチェーンでほとんどを占めているコンビニに対し、飲食業においては多種多様なフランチャイズが存在します。

かかる費用や受けられるサポートなども本部によって様々であり、初期費用を抑えて始められるものから、大規模な資金調達をしなければならないものも存在します。

例として、喫茶店のコメダ珈琲では初期費用が約1億円程度必要になり、それに加えて店舗の建設費や設計料、食器などの備品などの費用も必要になります。

また、ロイヤリティは定額制で、1席当たり月額1,500円となっています。

高額な費用がかかるように思えるコメダ珈琲ですが、出店者の初期投資負担を軽減する支援体制も準備されており、サポート内容として、礼節やマナー、経営者の心得などの店舗運営に関する知識を提供できるプログラムを用意しているようです。

このように徹底された本部のサポートを受けることができるため、経営の波も少なく利益の積み重ねができるといえます。

クリーニング屋

クリーニング屋は実はコンビニよりも多く、フランチャイズも複数存在します。

なかでも知名度が高いホワイト急便の営業店は、加盟金や保証金、権利や仕入れに関する費用は不要となっています。

初期費用として加盟店側が負担するのは、受付のカウンターや商品の保管棚、POSレジ、ポール、保健所への申請費用など、およそ70万円程度といわれています。

また別途、必要に応じて店舗の改築改装の費用がかかる可能性もあります。

ロイヤリティに関しては、売上の25~30%程度で、割合については店舗の売上によって変動します。

クレーム対応も本部が対応するため、受付の仕事に集中できる体制が整っているといえるでしょう。

介護・福祉

介護や福祉の事業は、行政が提供をするサービスなどであることから、様々な法の制度があります。

このことから、高需要・安定する事業ですが、開業するためには多くの手続きが必要になり、運転資金の調達が必要になります。

リハプライム株式会社では、加盟金300万円に対し、運転資金を含む開業資金としては約3,500万円が必要になります。

また、月15万円で固定のロイヤリティが設定されています。

費用としては小さくありませんが、膨大な量の開業手続き・事務処理サポートが得られること、利益の要である利用者の確保などができることがメリットといえます。

買取ビジネス

買取ビジネスは不況に強いという側面もあり、近年フランチャイズ数・店舗数ともに増加しています。

買取専門店で知られる大黒屋では、加盟金は不要ですが、開業資金として300万円が必要になります。

また、ロイヤリティについては、税込粗利の38.5%となりますが、開業1か月目はロイヤリティ無料、愛知県限定にはなりますがロイヤリティ16.5万円の月額固定プランもあります。

鑑定や経営についてのサポート、販路の提供も行ってくれるので、未経験でも安心して開業ができるといえます。

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FCに加盟するメリットは?

FCに加盟することで様々なサポート・メリットを受けられるとご紹介しましたが、具体的にはどのようなものが挙げられるでしょうか。

以下では、FC加盟で得られるメリットについて、大きな2点をご紹介します。

未経験でも挑戦のハードルが低い

FC加盟をすることで、店舗を運営するにあたって必要となる商標や商材、経営方法などがパッケージ化されたものが利用できるため、加盟店側が0から事業を構築する必要がありません。

必要な商品や原材料についても、直営店も含めた店舗全体でまとめて仕入れをするため、手間もコストも抑えることができる場合もあります。

また、開業前には本部のスタッフによる研修を受けることができ、開業してからも経営や店舗運営に関する助言やサポートを受けることができます。

このことから、起業をしたことがない方や未経験の業種で起業を考えている方にとって、FC加盟は安心してチャレンジができるシステムということができます。

フランチャイザーの知名度を活かせる

事業を成功させるカギとなるのが、いかに開業する地域の人々に店舗やサービスの名前を知ってもらうかということです。

しかし、FCの加盟店であれば既に名前が知られているため新規の出店とは異なり開業の初日から本部の持つブランド力を利用して集客することができます。

ある程度の知名度がある店舗であれば、お客様も安心感を持って利用するため、新規のお客様はもちろん、リピーターのお客様に関しても獲得しやすくなるでしょう。

そのため、集客面に関してのリスクは軽減できるといえます。

なお、GLUGでは福祉・飲食の領域に特化して開業から運営までトータルでサポートしており、集客の面でも手厚い支援を実施しています。

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FCに加盟するデメリットは?

開業までのスピード感があり、経営の失敗へのリスクが低いとされるFC加盟にも、デメリットは存在します。

以下ではそのデメリットについて、いくつかお話していきます。

運営の自由度が限られる

FC本部によって掲示される経営のノウハウやマニュアルに関してはシステム化されたものになるため、個人での開業に比べると、加盟店のオリジナリティを発揮する幅が狭くなります。

また、商材やサービスに対する方針、販売価格、実施するキャンペーン、営業時間や定休日などについても本部の管理下にあるため、その面でもマニュアル通りの運営をせざるを得ません。

このことから、運営にあたっての自由度は制限されてしまうということができるでしょう。

ロイヤリティが必要

加盟店になった場合、本部に対して毎月ロイヤリティを支払わなければなりません。

ロイヤリティの金額や割合に関してはFC本部や契約の内容によっても異なりますが、仮に売上が想定より上がらなかったとしても、ロイヤリティの支払い義務は発生します。

そのため、自らの商標やブランドで開業した際と比較すると、負担が大きくなってしまう場合があります。

ブランド力低下に影響を受ける

本部やその他の加盟店で不祥事や商品の不良などによるトラブルが起こった場合には、本部が持つブランド力の低下が起き、全店舗に悪影響が与えられるというリスクがあります。

また、自分が開業した店舗がブランド力を低下させるようなトラブルを起こしてしまった場合は、本部から損害賠償請求をされることもあるため、十分な注意が必要となります。

FCと直営店の違いとは

FCはフランチャイズ店と直営店の2種類に分けられます。

「フランチャイズ」は前述の通り、加盟店が本部と契約を結んだうえでロイヤリティを支払い、商標を使用する権利や商材やサービスを販売する権利を利用することができるシステムです。

一方、「直営店」とは、本部が直接店舗運営を行っている店舗のことを指し、このようなシステムをレギュラーチェーン(RC)と呼ぶこともあります。

直営店は、自社で店舗や人員、設備などの全てを賄い、チェーン店を運営します。

本部が運営をしている直営店は研修店舗として利用するなど、フランチャイズ店のお手本となります。

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FCは儲かる?

結論から言うと、FCの開業で儲けることは可能です。

FC加盟店のオーナーの平均年収については約500万円前後といわれています。

ただし、開業する業種や地域などによっては、年収400万円以下のオーナーもいれば、1,000万円以上のオーナーもいるというような、大きな差が出ます。

そのため、ここで挙げた平均年収については、あくまでも目安だと考えてください。

例えば売上自体が他業種と比べて変わらない場合でも、運営によるコストや経費を削減できる業態だと、利益に差が出てきます。

さらに、いくら年収が多く見込めるとしても、長時間の労働になるのであれば、単純に高収入ということは難しいでしょう。

年収の多さを単純に見て判断するのではなく、ビジネス全体を見ることで、どれほどの利益が残せるのかということを考える必要があるといえます。

FCに悩んでいる方はこちらの記事もご覧ください

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まとめ

FCとは「フランチャイズチェーン」という言葉の略称です。

FC加盟には未経験でも安心して開業できることや、本部の知名度を利用ができるというメリットがあるとともに、経営の自由度の低さや毎月かかるロイヤリティ、多店舗の影響を受けるというデメリットもあります。

このようなさまざまな違いを理解した上で、FC加盟について考えてみてください。

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記事の監修者

平林 英雄

行政書士・保育士・AFP

新卒でコンサルティング会社に入社し、10年間にわたり中小企業の経営計画策定や新規事業の立ち上げ支援に従事。飲食、介護、福祉分野のチェーン本部を経験した後、独立し行政書士としての活動を開始。
現在は法人設立や資金調達などの創業支援、許認可取得や補助金申請などの中小企業支援をおこなっている。2021年より中小企業庁の認定経営革新等支援機関。